1997年11月14日(金)
(当番:佐藤)
ニューヨークの秋は短い。時計台の前の並木道もすっかり黄色く染まった。
今日のセミナーは、多分10時半からだ。
ホットココアで手を温めながら、私は412号室へ急いだ。
出席者は、
発表者:岩井さん
出席者:矢野先生、下川さん、石川さん、私
でした。
午前中は久しぶりに、岩井さんの暗号のお話。
バリバリの、代数です。
結構大変な議論を、ちゃんとやっています。流石。
比較的レアな内容に、聴衆は皆久々に快哉をあげる。
午後のセミナーは、発表者がいない為止むなく中止。
12時30分過ぎに伊藤さん登場!
しかし午後のセミナーはありませんでした。
午後は引越し前の準備にあてられた。
60年代の香り漂う書庫からは、88のゲーム、旧式のテープレコーダや
タイプ用紙、両刃鋸『双葉作』など、マニアにはこたえられないものが掘り出される。
来週の水曜日に引越しがある為、4号館412号室におけるセミナーは
本日が最後となります。来週以降の場所については、まだ未定です。
「もうこれ以上犠牲者を増やす事は、許されないわ。なぜこんなことするの」
私は矢野セミナーのHPを皮切りにインターネットジャングルの奥深くへと分け入る。
身体の奥の方で、レジスタンス時代の血が騒ぐのがわかる。
「雇われたからだよ。仕事だ。」午後の紅茶を一口含んでから続ける。
「おれのような人間になると、身をよけてやりすごすということが
できなくなるんだよ。
そのこと自体が一種の決意だ」
「そうね」静かに言った。
「そうなのね。あなたは、自分が、自分だけが、この竜と戦えるのだと
決めている。
そして、次も、またその次も。身をよけてやりすごさないで。
そしていつかは最後の竜に出会うんだわ」
(次回は新たな展開が……)
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