数理情報工学特論第六

対象:4年 1.5単位
担当教官:岡本 和夫
講義日程:夏学期 木曜日 13:00-14:30
講義室:工6号館2階64講義室

講義題目:パンルヴェ方程式の数理

内容:
表題にある、パンルヴェ方程式とは、前世紀初頭にポール・パンルヴェが発見した非線型常微分方程式である。微分方程式で定義される新しい特殊函数を発見しようという問題意識から数学的に追究され発見された。いまさら、しかも数理情報工学特論という講義で、特殊函数を主題にするのは時代にそぐわない のかもしれない。事実、パンルヴェ方程式は発見から七十年以上、数学の中でもその存在を知っていれば物知りというような位置に置かれていた。1970年代の終わり頃、数理物理学のある場面に再登場し、結構興味を持たれるようにはなったが、数学としてもそれなりに認められたのは1990年代以降であろうか。 可積分系の理論においていろいろな側面から研究されている、古くて新しい方程式である。

パンルヴェ方程式は、超幾何函数や楕円函数等の古典的特殊函数をある意味で含む。非線型方程式であるから、古典的特殊函数とは多少異なった扱いを必要とするが、そのぶん多方面の数学と関係し、面白い対象である。講義では、その多様な数学的様相を紹介したいと思っている。多くの分野の数学を道具とし て使うので、そのすべてを細部に渡って紹介することは時間的に不可能であるが、別にそんなことが求められているわけではあるまい。全体像をつかんでもらえるように工夫して紹介したい。その意味で、予備知識は必要といえばいくらでも必要だが、講義についてはこちらからは求めない。といっても、複素函数論と微分方程式についてはそれなりに知っていてもらわないと困るが。

とにかく、パンルヴェ方程式を楽しんでもらえれば十分講義の意義は果たされたことになる。


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