1997年12月12日(金) 晴れ

(当番:佐藤)

メビウスバンドが眩しい季節になった(ちょっとやばいか…?)。 ニューヨークの冬は、まだ始まったばかりである。
行きつけのカフェでオクトパス・ボールをテイクアウトする。 オクトパス・ボールは、流行りのジャパニーズ・フードらしい。
それから少し戻り、HMVで話題のマリヤ・ヤマダのシングル 『Daijo-Bu!!』をゲットした。
彼女はまだこっちではブレイクしてないが、香港だか東京だか のジャネット・ジャクソンだ、とメール・パルが言っていたのを 思い出したからだ。
今日のセミナーは、10時50分からだった。 が、大学についたのは10時45分ごろだった。

ところが、先生は定刻10時30分にいらしたのに、 あろう事か誰も来ていなかったという。
出席者は、岩井さん、石川さん、佐藤と矢野先生。伊藤さんがすごく遅れていらした。

今日の話は、楕円関数の有限体上への還元と離散対数型暗号。
ところが、講演が佳境に入り聴衆がエキサイトしてきた所で チャイムが鳴ってしまう。
来週の午前の岩井さんの講演が今から待ち遠しい。
今日は久しぶりに御弁当じゃんけん。 伊藤さんと私が負けて、御弁当を買いに行く。
最近、私は毎回負けているような気がする。 またジムにでも通うか……。

午後は、2階の広い部屋でセミナーが行われた。 佐藤が修論の3章を強引に終わらせていた。
修論は1月に入ってから始めても大丈夫らしい (提出は1月下旬?)と聞いて、彼はほっとしていた。


そう言えば、昔、まだじゃんけんに有限体上の楕円関数の理論が使われる 以前に、こんな事があった。
いつものように手を組んで覗きこんだり、茶柱をゆらしたりして、 今まさにじゃんけんが院生室で行われようとしていた。
1回目は、グー、チョキ、パーの3つが出揃って、確か あいこになったと思う。
2回目が始まろうとしたまさにその時、タンガ姿の女が盆に 牛乳瓶を3段に重ねて持ちながら院生室に入って来たのだ。
『シツレイシマス。オゥ!!』
その女は、当然のように院生室に貼ってあった雛形のポスターを見て 動揺した。
院生室の床には割れた瓶の破片と牛乳が広がった。
我々は、目の前の惨劇を無かった事にしようと無意味な自問自答を 繰り返しつつ、しかし視線だけはその女のぞうきん掛けの滑らかな 動きに注いでいた。
誰もが手伝おうとしていた。 と同時に、誰もがぞうきんを英語に直す所でつまづいていた。
そんな時、誰かが叫んだ。
『あいこで、しょっ。』
あまりにも無防備だった我々は、為す術も無くこの不意打ち攻撃の前に 屈してしまった。
あの時じゃんけんに勝ったのは、誰だったのだろう? そもそもあの時あいこコールを掛けたのは誰だったのか?
今から考えると、あれも巧妙に仕組まれた罠だったのかも 知れない……。

(感想をお待ちしてます。つづく)


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