1997年7月17日(木) 雨

(当番:ジゴロいか)

一度目の覚醒、午前8時。
「ん、あ、あと少しで『あぐり』だな。あと十分……」
二度目の覚醒、午前10時半。
「あ〜あ、また『あぐり』見逃しちゃった。しょうがない、再放送(12時45分より) 見るか。 −−? 待てよ、今日は確か……」
セミナー開始は10時半という約束である。


環状線内回りは三宅坂の事故で、半周回った銀座まで8キロの渋滞。まよわずレインボー ブリッジから外回り経由3号線のルート。橋の上では刻々と時間だけが過ぎ、あまりに暇 なので、昨晩何年かぶりに読んで眠れなくなったスマリヤン『決定不能の論理パズル』を 取り出しパズル三昧。

313号セミナー室の扉を開けたのは12時4分。既に午前の部は終わっていた。
午前中は佐藤君が話していたものと思われるが、もちろん見たわけではない。「自信過剰 の推論者」にできるのは、「佐藤君がしゃべったに違いない」と推論し、自身の正当性故 それを信じ、結果として「佐藤君がしゃべったことは真である」と結論することである。 いずれ矛盾が生じる?
昔読んだ小説を思い出した。
  女 "Do you believe in god?"
  男 "No."
  女 "Do you believe in anything?"
  男 "Yes."
  女 "What?"
  男 "The answer to that is too corny."
  女 "Tell me."
  男 "I believe in you."
男女の間に破綻のない「完全な」公理系が存在しないことは既知である。


412院生室で恒例「お弁当じゃんけん」


午後のセミナーは13時半から。先生が遅れると、秘書の井上さんより伝言あり。
それではと、一昨日2時間ほど考えた『他人(ひと)の不幸は蜜の味』の数学的定式化に ついて聞いてもらう。半ば以上は冗談であるにも関わらず真剣にノートを取られると、 申し訳ない気持ちになる。
♪ひとの不幸を祈るようにだけは、なりたくないと願ってきたが、今夜お前の幸せぶりが、風に吹かれるあたしのむねに痛すぎる♪

前座が終わって黒板を消しているところに先生登場。お後がよろしいようで。

真打ちの米田君は、horosphere の定義と特徴付けについてのお話。「あたりまえ」と思 っていたことも、いざ計算で導こうとすると三角不等式の嵐で、結構大変であることを知 る。こーゆーのは、自分でやるより、人がやってるのを見て茶々を入れる方がずっと楽し い。なにしろ、自分では「やろう」とさえ思わないのだから。16時終了。既に先生と岩 井君は消えていた。


本日は18時より、パーティーがあるとのこと。苦手なんだよなぁ。でも、佐藤君が就職 活動で、石川君がご飯当番でそれぞれ帰宅し、岩井はどこぞに遊びに行ってしまったので、帰るわけには行くまい。

パーティーまで間があるので、生協書籍部の注文カウンターで軽口をたたき、数理新棟の メールボックスを覗いてから、下川君を拉致して三茶へラーメンを食べに行く。淡島通り から環7を南下すると、世田谷線の信号でストップ。車両前部に「大人130円」の表示。 この14年で30円しか上がっていない。

パーティーは、予想と違って大変なものであった。ビールとポテトチップス位に思って行 ったら、ちゃんと料理があるではないか。しかし、ラーメンで膨れた腹には何も入らない。折を見て抜け出し、院生室秘蔵のエビスビールを飲みながらこれを書いている。


酔っぱらって、無事帰り着けるだろうか。

続く


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